奈良唯一の本流太極拳教室
気功・太極拳 基礎講座
気功と太極拳の関係は?
太極拳をはじめる前に知っておきたい基礎知識
■気功と太極拳の関係は?
図の通り、太極拳は内家拳の一つで、内家拳はかつて「剛拳」と呼ばれる中国武術に気功の要素を取り入れたものだと言われています。内家拳の代表的な武術には、太極拳、形意拳、八卦掌などがあります。一方、剛拳(外家拳)には、少林拳、長拳、南拳などが有名です。また、ブルース・リーの武術(ジークンドー)も剛拳の一種に分類されます。
内家拳である太極拳の特徴は、体内に気を巡らせ、力に頼らず気のパワーを用いて闘う点です。そのため、美容や健康法としても非常に優れています。
■気功と太極拳のメリット
人間が最も元気なのは、生まれたばかりの時です。一日中手足をばたつかせ、豪快に泣き続けられるほどのパワーがあります。しかし、年齢とともにその元気は徐々になくなっていきます。失われつつある「元気」を取り戻すための方法が気功です。気功は、失われつつあるかつての元気を再び取り戻すための練功法なのです。
また、年齢とともに筋力も衰えていきます。階段の上り下りがつらくなったり、重いものを持ち上げることができなくなったり、やがて体を支えられなくなり、腰が曲がってきます。
太極拳では、失われつつある筋力、特に「インナーマッスル」と呼ばれる内筋を鍛え、体を強くすることができます。インナーマッスルは日常生活に欠かせない筋肉であり、非常時に力を発揮する「火事場の馬鹿力」にも関係しています。
さらに、太極拳を続けることで、無駄な脂肪を落とし、無駄な力を使わなくなるため、気の通り道である経絡が開き、気血の巡りが良くなります。これにより、健康維持や不老長寿に役立つほか、修行を積み重ねていくことで勁力(けいりょく)と呼ばれる技として使える気の力を身につけることができます。
■以下の図は気功を行う際の正しい姿勢と気の巡らせ方、意識すべき点を示したものです。
■気功・太極拳基本姿勢のつくり方
① まず足は肩幅に立ち、つま先を真っ直ぐ前に向けます。指を丸め地面に吸い付くように立ちます。
② 股関節を開き、膝がつま先の丁度上に来るようにします。
③ 尻を収め、腰をゆるめ、背中もゆるめます。それぞれ収臀収肛(しゅうでんしゅうこう)又は尾呂中正(びろちゅうせい)、鬆腰(しょうよう)、含胸背抜(がんきょうばっぱい)といいます。
④ 顎をかるく引き、首を真っ直ぐに。頭頂を上に押し上げるようにすると真っ直ぐになります。これを虚霊頂頸(きょれいちょうけい)といいます。
⑤ 目は半眼(或いは閉じても良い)口は軽く閉じ鼻から吸って鼻から吐きます。これを緩慢的呼吸(かんまんてきこきゅう)といいます。
⑥ 舌は上顎(上の歯と歯茎の間)につけます。これを舌頂上顎(ぜっちょうじょうがく)といいます。
以上が気功・予備勢の姿勢のつくりかたです。気を感じるためにもまずは正しい姿勢を身につけましょう。■立禅の心得
気功に必要な意識として「調身、調息、調心」があります。
これは、気の巡りを良くするために、まずは姿勢を正し(調身)、息を整え(調息)、精神統一(調心)することの意味します。
まずはここから始めてください。
どんなに気の巡りをイメージ出来ていても悪い姿勢では気はうまく流れてくれません。
呼吸も大切です。ゆったりとした深く細い息をしますが、鼻から吸って鼻から吐きます。
舌は上あご(上の歯と歯茎の間)に常にくっつけます。(気を体に巡らせる経路になります)
どこかに無駄な力が入っていると気の通り道である経絡(けいらく)が押しつぶされ、気の通りを阻害してしまいます。
全身の力が十分に抜けているか?無駄な力は入っていないか?よくチェックしてみてください。■氣の巡らせ方
身の回りに存在する気を外気と呼びますが、新鮮な外気を体内に取り込み、そして体の中にある邪気(ストレスや病気をもたらす悪い気)を払います。
先程の「調身、調息、調心」が出来たら、第二段階として、まず足裏から地のエネルギー(気)を取り込み、ふくらはぎ>腿の後>背筋>首筋>頭頂>眉間>鼻>口という順に気が流します。ここまでの経絡(気が通る道)を督脈(とくみゃく)といいます。
次に口>喉>胸>腹>会陰(性器と肛門の間)を流れ督脈と繋がります。これを任脈(にんみゃく)と言います。
腹まで降りた気が会陰を通らず、そのまま腿の前>膝>脛>足を通るルートもあります。このことによって気(邪気)を地に戻します。
ですから、地面から頭頂を周るルートと会陰から頭頂を周るルート(小周天という)があることを覚えておいてください。
その流れの中でパワーのある気がどんどん下丹田(下腹部)に溜まってきます。この時お腹に温かいうずうずするものを感じるはずです。気を巡らせるにはイメージが大事です。
意氣相連(いきそうれん)という言葉がありますが、「意あるところに気あり」という意味になります。意識しなくては気を巡らせることはできません。
瞑想状態(無我の状態)で、気が流れるイメージに集中してみてください。
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